初めて介護の仕事をしたいけれど、どのような種類があるのかな?
未経験者が介護の仕事を始める場合は、どの職種がいいのかな・・?
職種別に介護の仕事内容を知りたい!
今回はこのような質問にお答えします。
結論から言いますと、今回紹介する介護の仕事は9種類あります。職種によっては資格や経験が必要な専門職もあります。
正規雇用としてしっかりと生計を立てたい方には、「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「グループホーム」が夜勤の仕事がありますので、お給料は良いです。
パートやアルバイトなど週3日くらいで働きたい方には、「デイサービス」「訪問ヘルパー」が時間の調整が付きやすいので働きやすいです。
介護未経験者が初めて介護の仕事に就くとき、どの職種が働きやすいのか解説していきます。
職場での具体的な仕事内容、どのようなスタッフが働いているのか、私の経験を踏まえてわかりやすく紹介していきます。
この記事を書いている私のことを簡単にお話します。介護歴は約8年で、特別養護老人ホーム、グループホーム、介護老人保健施設、小規模多機能型居宅介護、有料老人ホームで介護の仕事を経験しました。正職員と派遣社員で働いたことがあります。複数の職場を経験することで、介護とは何かを理解できるようになりました。介護の現場で経験したことをわかりやすくご紹介していきたいと思っています。
介護のことを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
>>介護とは何だろう?介護の定義・具体的な仕事内容や魅力・職場の種類について解説!
今回の記事を読むことによって、介護の仕事を始めてみたいと考えている方が、「どの職場が適しているか」をわかりやすく丁寧に解説しました。
職種によって介護の仕事内容の違いなどもお話しますので、続きをご覧ください。
介護業界の仕事には何があるの?(介護職)
こちらでは一般的に介護と言われている職種を紹介します。
介護未経験者は、まずこちらの職種から選ばれると良いでしょう。
介護士(施設介護員)
介護士は、介護の現場で働いているスタッフのことを言います。
主な仕事内容は、食事や入浴、おむつ交換や車いすへの移乗、パジャマへのお着替えなどの「身体介助」と、洗濯や部屋の掃除などの「生活援助」があります。
主な介護施設は、「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「グループホーム」「小規模多機能型居宅介護」「有料老人ホーム」「デイサービス」などがあります。
入所しているご利用者さんの介護度が重いほど、スタッフの仕事量が増え体力も必要になります。
介護未経験者が、体力に自信があり身体介助の知識をしっかり身につけたいと考えているなら「特別養護老人ホーム」を、ご利用者さんとの会話や家事などの生活援助などがメインの仕事なら「グループホーム」を、ご利用者さんが施設に通い入浴やおむつ交換、レクリエーションなどの介護の仕事をしたいなら「デイサービス」がおすすめです。
特別養護老人ホームは、食事介助やおむつ交換などスタッフ主導で仕事を進めることができるので、時間効率を求めたり、テキパキと仕事をしたい方に向いている職種だと言えます。
グループホームは、体力はそれほど使いませんが、認知症のご利用者さんに支持をいれたりする必要があるので会話が上手で忍耐強い方におすすめです。
デイサービスは、自宅からの通いで自立度が高いご利用者さんが多いので、普通に会話をしながら介護の仕事をしたい方にはおすすめです。
介護資格の有無は、施設内での仕事となりますので、施設にもよりますが無資格で働くことができます。
ホームヘルパー(訪問介護員)
ホームヘルパーの仕事内容は、ご利用者さんの自宅に訪問して、食事や入浴、おむつ交換などの「身体介助」と、洗濯や掃除、調理などの「生活援助」の仕事をおこないます。
訪問介護計画書の内容に従って、ご利用者さんへサービス提供をします。
主な事業所は、「訪問介護事業所」です。ヘルパーステーションとも言います。
通常ホームヘルパーは1人で仕事をおこなうので、「介護職員初任者研修」の資格が必要です。
事業所によっては、ご利用者さんを通院させる必要があるため、「普通自動車免許」を求められることもあります。
ホームヘルパーの仕事は、シフトにもよりますが短時間で効率よく働く事ができますし、ご利用者さんと1対1での仕事になりますのでスタッフ同士の人間関係に悩まされないというメリットがあります。
介護助手(介護補助)
介護助手の仕事内容は、ご利用者さんの身体に触れる身体介助以外の仕事をおこないます。
介護の技量や経験のあるスタッフは、認知症のご利用者さんへの対応や話し相手、フロアーの見守りや食事の配膳、レクリエーションの手伝いなどをします。
介護初心者や軽度な仕事を担当するスタッフは、ベッドメイキングや清掃、入浴時の洋服の準備や片付け、備品の管理などをおこないます。
働ける施設は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などご利用者さんの人数が多い施設が求人募集をしていることが多いです。
介護助手で働くのに資格はいりません。未経験者で最初にご利用者さんの身体に触れるのが怖いと感じる方は、介護助手で働いて介護の雰囲気を経験してから介護士の仕事をするのも方法の1つです。
介護ドライバー
介護ドライバーの仕事内容は、デイサービスなどの通所介護施設を利用するご利用者さんを車に乗せて、施設と自宅を送り迎えします。それと送迎車の点検や洗車などもおこないます。
勤務時間は、介護ドライバー業務だけなら1日4~6時間ですが、常勤として介護士や介護補助を兼任しているスタッフもいます。
介護ドライバーで働くには、普通自動車第一種免許を持っていれば大丈夫です。介護保険サービスには送迎業務がありますので、普通自動車第二種免許は必要ありません。
介護業界の仕事には何があるの?(専門職)
こちらからは経験や資格が必要な専門職の仕事を紹介します。
介護職のステップアップとしてご覧ください。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアマネジャーの仕事内容は、介護を必要としているご利用者さんの相談や介護サービスを受けられるようにケアプラン(介護サービス計画書)の作成、サービス事業所や施設などと連絡を取りスムーズに仕事をおこなえるようにします。
ケアマネジャーになるには、まずはケアマネ試験の要件として介護福祉士になってから5年以上の実務経験が必要です。そしてケアマネ試験に合格して介護支援専門員実務研修を修了するとケアマネジャーの仕事ができます。
介護福祉士と比べると、身体的な負担が少なくなり、お給料がUPするので将来的に取得をめざすもの良いでしょう。
サービス提供責任者(サ責)
サービス提供責任者の仕事内容は、訪問介護サービスを利用したいご利用者さんの相談やご家族との面談、介護サービスを提供するための「訪問介護計画書」の作成、ホームヘルパーへの指導やシフトの管理などをおこないます。
サービス提供責任者になるには、介護福祉士か実務者研修修了が必要です。無資格の方は最短でも6ヵ月はかかります。
ケアマネジャーとホームヘルパー、ご利用者さんとの仲立ちをしたりと、とても忙しい役職です。それだけに周りから信頼されるやりがいのある仕事であると言えます。
生活相談員
生活相談員の仕事内容は、介護施設とご利用者さん、そのご家族との間に立って相談や面談などをおこないます。その他にも、地域や他職種との連携、施設の入退所の手続き、窓口業務など仕事は広範囲にわたります。
生活相談員になるには、社会福祉士、社会福祉主事任用資格、精神保健福祉士のいずれかの資格が必要です。自治体によっては資格がなくても介護経験2年以上でも生活相談員になれる場合もあります。
生活相談員になると、ご利用者さんやご家族と接することが多くなりますので、感謝されることがあり、それが大きなやりがいになるでしょう。5年以上の実務経験でケアマネの受験資格が得られるので、キャリアアップにもつながります。
介護事務
介護事務の仕事内容は、介護報酬を国に請求するとき「レセプト」という介護給付費明細書を作成します。介護保険制度に関する知識が必要で、翌月の10日までに請求しなければならないので、この時期は忙しくなります。
その他、請求書の作成やデータ入力などの一般事務、電話や来客対応、ご利用者さんやご家族と接するのでコミュニケーション力も必要となります。
介護事務で働くには、必ずしも資格が必要ではありませんが、民間資格である「介護事務認定実務者」「ケアクラーク」「介護事務管理士」などの資格があると採用されやすくなります。
施設長・管理者(ホーム長)
施設長・管理者の仕事内容は、一言でいいますと施設全体のマネジメント業務になります。
たとえば、スタッフの管理、ご利用者さんやご家族への対応、地域との連携、施設の運営、コンプライアンス管理など仕事は多岐にわたります。
もちろん施設のトップなので、責任が重い役職となります。
施設長・管理者になる資格要件は、施設によって違います。
たとえば、特別養護老人ホームなら「社会福祉主事」などの要件を満たす、介護老人保健施設なら「医師」、グループホームや小規模多機能型居宅介護なら、3年以上認知症高齢者の介護経験と「認知症対応型サービス事業者管理者研修」を修了することが必要となります。
有料老人ホームやデイサービスなどの訪問介護事業所は資格要件はありませんが、介護経験や知識が必要となりますので、現場経験を積んでいるスタッフや資格保有者を優遇する施設が多いです。
施設長・管理者はたいへんな仕事ではありますが、介護業界の中ではお給料が高いですし地位が高いので、やりがいを感じる職種であると言えます。
介護の資格を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
介護初心者が目指しやすい資格って何があるの?介護資格の種類をわかりやすく解説!
介護職の雇用形態を教えて
介護職の雇用形態は、正社員だけでなく契約社員や派遣社員、パート・アルバイト、登録ヘルパーがあり、個人のライフスタイルに合わせた働きかたができます。
正規雇用と非正規雇用の違い
平成29年度厚生労働省の介護労働実態調査では、施設で働いている介護職員は、正規職員が61%で非正規職員が39%、訪問介護員では正規職員が30.3%で非正規職員が69.7%と、非正規職員の割合が高くなっています。
正規雇用で働く職員は、安定した給与や社会保険、福利厚生を求める方が多いです。仕事に関しては、勤務時間内で終わらなかった場合でも、すべての仕事を終わらすために時間外になったり残業をすることもあります。
非正規雇用で働く職員は、家族や自分の時間を大切にしたい方が選ぶ場合が多いです。勤務時間や曜日を決められる場合が多いので、自分の生活リズムを作りたい方には働きやすい雇用方法となるでしょう。
介護の実務経験は、正規雇用も非正規雇用も同じにみなされるので、非正規雇用で働きながら実務経験の要件を満たし資格を取得する方もいます。
正社員
正規職員の良いところは、給与が安定していることです。施設によっては昇給やボーナス、退職金が支給されるところもあります。社会保険や福利厚生などもしっかりしています。
正規職員の大変なところは、基本的にフルタイム勤務で、施設によっては早番、日勤、遅番、夜勤の4交代シフトで働くところが多いので、仕事量が多くなり残業も増えるでしょう。責任のある仕事も任され、実力があれば役職者として働くこともあるでしょう。
介護職で生計を立てようと考えている方は、正規職員になることをおすすめします。
雇用が安定していることで仕事に集中できますし、家族も安心して養うことができます。
契約社員
契約社員には、施設によっていろいろな雇用契約があります。
一般的には、半年とか1年とかで期間契約をして、続けて契約更新するか契約終了で退職ということになります。
契約社員は、ほとんどどこの施設でも正規職員と同じ仕事をします。
入社当初は契約社員の契約で、契約の更新時に勤務態度や仕事ぶりを評価されて正規職員に採用される施設もあります。
契約社員でも介護の実務経験はカウントされるので、資格取得をめざす方には契約社員で働くのも一つの方法です。
ご自身が期間をきめて働きたいのであれば契約社員で良いでしょう。もし正規職員を希望しているならば、契約期間と必要要件を面接のときに確認することが大切です。
派遣社員
派遣社員とは、雇用契約は派遣会社と結びます。そして派遣先の施設に契約期間をきめて働きます。
派遣先の施設との最初の契約期間は、2ヶ月~3ヶ月が一般的で、その後は3ヶ月~半年契約になることが多くなります。
しかし同じ施設や会社で働けるのは最長で3年までと「労働者派遣法」できめられています。
もし4年目以降も同じ施設、会社で働きたいのであれば、施設、会社と雇用契約を結ぶ必要があります。
派遣社員として働くメリットは、たくさんの施設を経験しても履歴が派遣会社だけですむというところです。
一般的に数か月に何回も勤務場所がかわると、会社の採用面接のときに「仕事が続かない人」という印象をもたれてしまう可能性があります。
派遣会社に登録していると、雇用期間が終了したら次の施設に行くのが普通なので、仕事が続かないと思われることはないのです。
私の知り合いにも、派遣会社で約10か所くらい施設を経験して、今の施設に就職した人もいます。
いろいろな介護施設で経験したいと考えたら、契約社員で働いてみることをおすすめします。
パート・アルバイト
介護のパート・アルバイトとは、施設や事業所と直接雇用契約をします。
仕事の負担は、施設によって正規職員のサポートをする仕事から、介護士と同じ仕事をするところまでさまざまです。
扶養内で働きたいとか、午前中だけとか4時間だけとか、勤務の曜日、時間がきまっている主婦の方が多い雇用形態です。
最初にパート・アルバイトで働いて、勤務態度や仕事ぶりが良くて正規雇用になった方もいます。
登録ヘルパー
登録ヘルパーとは、訪問介護事業所に働きたい曜日や時間を登録して、仕事を紹介してもらう働きかたの1つになります。
通常は事業所に出勤せずに、自宅からそのままご利用者さん宅に行き、サービスを提供して、仕事がおわれば直接自宅に戻ります。
仕事内容は、ご利用者さん宅に訪問介護員として訪問しますので、正規職員やパート職員と同じ仕事をおこないます。
登録ヘルパーは、収入は実働に対して支払われるために、ご利用者さんの訪問キャンセルなどで希望していたとおりにお給料がもらえないときもあります。
上手くシフトを組むことで、子供が幼稚園や小学校に行っている少しの時間に仕事ができるので、スキマ時間を有効活用することができます。
未経験者が介護の仕事を始めるまえの心がまえ
初めて介護の仕事をするとき、いろいろと不安があると思います。どのような心がまえを持って仕事にのぞめば良いかお話していきます。
自分からあいさつをする
まずはあいさつからです。初めて会う職場の上司や先輩にしっかりとあいさつをしましょう。
これから働きやすくなるかは、第一印象を良くすることが大切です。そしてスタッフの顔と名前を覚えましょう。そのときに名前をメモに書いておくと、誰にあいさつをしたのかがわかるので良いでしょう。
報告・連絡・相談をする
介護の仕事をするとき、最初は先輩についてもらいます。わからないところがありましたら、遠慮なしに質問、相談をしましょう。
新人だから聞けることがたくさんあります。介護のことで疑問に感じたことをどんどん質問しましょう。ここであなたの介護感が作られていきます。
自分に任された仕事が終わりましたら、先輩に報告をしましょう。先輩が確認をして直した方が良いところを指摘してくれます。次回から指摘された仕事をきちんとすることで、仕事ができるスタッフだと認識してくれます。
特に介護の仕事は情報が大切です。ミーティングや連絡ノートなどの情報はしっかりと覚えて仕事に取り組みましょう。ご利用者さんの体調や状況の変化などを先輩に報告しましょう。そして知り得た情報を他のスタッフに連絡をして共有しましょう。
自分の体調管理をしっかりする
早番、日勤、遅番、夜勤と介護の仕事は時間が不規則で長いことが多いです。日頃から自分の体調管理をしっかり整えましょう。
介護の仕事やご利用者さんへの対応、人間関係などで、疲労やストレスが溜まることが多いです。息抜きなどをしてストレスを解消するようにしましょう。
特に夜勤が入ると睡眠時間が不規則になるので、必要ならば先輩などに相談してご自身で体調管理を考えて整えるようにしましょう。
介護の仕事は特に腰を痛めやすいので、日頃から身体を鍛えたり仕事に入る前にストレッチをするなどして、怪我をしないように心がけましょう。
介護の仕事は腰痛になりやすいです。気になる方はこちらの記事もご覧ください。
【介護職の悩み事】腰痛の原因と予防対策について解説!
ご利用者さんの立場から物事を考える
ご利用者さんと接するときは、ご利用者さんの立場から物事を考えるようにしましょう。今何をして欲しいのか、何を望んでいるのかを読み取れるように努力しましょう。
コミュニケーションをするときは、丁寧な言葉つかいを意識しましょう。ご利用者さんは人生の先輩であり、お客様です。ゆっくりと聞き取りやすい言葉で話をしましょう。
ご利用者さんとコミュニケーションを取ったり介助をすることで、少しずつ信頼関係が築かれていきます。ご利用者さんに好意を持たれると介助のときに協力してくれるので、仕事がしやすくなります。
向上心をもって仕事に取り組む
介護の仕事をするとき、いつでもより良い方法がないか考えながら仕事をしましょう。
たとえば、コミュニケーションが取りにくいご利用者さんに対して、どうすれば上手にコミュニケーションが取れるかアプローチを変えて接してみましょう。
ご自身の仕事をしながら、周りにも目を配るように意識しましょう。異変が起きたときに素早く対応できます。
介助の仕事をするとき、どうすればより速く仕事ができるかいつも考えて行動しましょう。
常に終わっていない仕事がないか、周りを見渡して進んで仕事をしましょう。
介護スタッフの能力として、スピードと仕事量は必要です。これからリーダーや役職者などキャリアアップをねらうためには実力が必要になりますので、向上心をもって仕事に取り組むようにしましょう。
まとめ
今、介護業界は人手不足で介護士を必要としています。介護の職種はいろいろあり、働き手にとってたくさんの選択肢があります。
介護の仕事を経験することで、人生のことなどさまざまなものが見えてくるでしょう。介護に興味があるならば、1度介護を経験して見ることをおすすめします。
介護を経験することで、あなたにとって介護の仕事が合っているのかいないのかがわかるでしょう。
人は年を取ると介護の道を通ります。年を取る前に介護とは何かを知ることで、自分の人生のシナリオを描くことができます。ご利用者さんを見て、年を取るとはどういうことかを理解できるようになるでしょう。
まずは第一歩を踏み出してみましょう。介護の仕事探しのサイトなどで情報を集めてみるのも良いでしょう。「もっと早く行動しておけばよかった」と後悔をする前に行動を起こしましょう。
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