介護って何だろう?
介護の仕事に興味があるけれど、どのような仕事をするのかわからないな?
介護未経験の私にも介護の仕事ができるのかなぁ・・・?
今回はこのような質問にお答えします。
結論から言いますと、介護未経験でも介護の仕事はできます。仕事の内容によっては向き不向きがあるかもしれませんが、だいたいの仕事は誰でもできます。
介護とは何か。具体的な仕事内容や職場の種類についてわかりやすく紹介していきます。
この記事を書いている私のことを簡単にお話します。介護歴は約8年で、特別養護老人ホーム、グループホーム、介護老人保健施設、小規模多機能型居宅介護、有料老人ホームで介護の仕事を経験しました。正職員と派遣社員で働いたことがあります。複数の職場を経験して、介護とは何かを理解できるようになりました。介護の現場で経験したことをわかりやすくご紹介していきたいと思っています。
介護の仕事の種類に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
介護の仕事ってどんな種類があるの?介護業界の職種をわかりやすく解説!
今回の記事を読むことによって、介護に興味がある方が介護の仕事をしてみたいと思えるように丁寧に解説しました。
施設によって介護の仕事の違いなどもお話しますので、続きをご覧ください。
介護とは何だろう
介護の定義
介護とは、自分1人で日常生活を送ることができない人に、生きて行くために必要な生活のすべてをお手伝いして、1人で生活できるようにすることを言います。
身体だけでなく、精神的な面もサポートする必要性もあります。
介護と介助の違い
介護とは日常生活を送れるようにするお手伝いすべてのことを言い、介助とは日常生活をスムーズに送るために必要に応じて手助けすることを言います。
食事の介助、入浴の介助、おむつ交換などが介助になります。
介護と看護の違い
介護とは日常生活を安全、快適に過ごせるためにサポートをすることで、介護福祉士やヘルパーなどがおこないます。
看護とは病気や怪我などの治療、療養のサポートをして、看護師や保健師など医療の専門の資格を持った人がおこないます。
介護の仕事って何をするの
介護の仕事とは
介護の仕事とは、要介護者や要支援者に対して日常生活をスムーズに送れるために必要な手助けをする仕事のことです。仕事内容は「身体介助」と「生活援助」の2つにわけることができます。
要介護者とは、身体や精神に障害があるため日常生活がスムーズに送れないと国が認めた人のことを言います。要支援者とは要介護者程ではないが、日常生活がスムーズに送りにくいと国が認めた人のことを言います。
身体介助とは、要介護者の身体に直接触れて介護をします。主に、食事介助、入浴介助、排せつ介助などがあります。
生活援助とは、ご利用者さんの身体に直接触れない援助をします。主に、掃除、洗濯、料理などの家事や、ごみ出し、買い物、薬の受け取りなどの代行をおこないます。
食事介助(身体介助)
1人で食事をとることができないご利用者さんの介助をします。口の中に食べ物を運ぶのはもちろんですが、食べる前に安全な姿勢になっているか、食べ物をきちんとのみ込めているかを見ます。
食べ終わった後に、お薬を飲む介助をしたり、歯磨きのお手伝いをします。
入浴介助(身体介助)
1人で入浴することが難しいご利用者さんに対して、介護士が頭や身体を洗うのをお手伝いをします。
身体をきれいに保ちながら病気などの感染症を防ぎます。それと精神的、肉体的な痛みをやわらげることを目的にしています。
排泄介助(身体介助)
1人で排泄することが難しくなったご利用さんのお手伝いをします。トイレへの誘導から排せつ時のお手伝い、おむつ交換などをおこないます。
トイレだけでなく、歩行のときの足の運びや、お尻の皮膚の状態なども確認します。
家事(生活援助)
ご利用者さんが使っている部屋やトイレの掃除、洗濯物を洗ったり干したり、食事を作ったり片付けたりします。
各家庭によって家事の仕方が違うので、まず最初はどのような援助をするのかを覚えることから始めます。
代行(生活援助)
ゴミを集めてゴミの収集日に出したり、ご利用者さんが必要な生活必需品や食品の買い物、薬局に薬を受け取りに行ったりします。
あくまでご利用者さん本人ができないことを援助するのが目的なので、自立の妨げになることや家族の分まで援助をすることはできません。
介護の魅力を教えて
年齢、性別に関係なく誰でも働くことができる
介護の仕事は女性が活躍しやすい職場が多いです。特にご利用者さん宅に行く訪問介護は、普段の家事がそのまま仕事に活かせるので人気があります。
介護には体力を使う仕事もたくさんあります。施設ではトイレ介助のとき、ご利用者さんを抱えてパンツの脱着をする2人介助をします。体力がある男性はとても重宝されます。
年齢も10~20代の若い方から50~60代、職種を選べば70代のスタッフまでいます。心身が健康であれば誰でも働ける仕事なので、興味がある方はぜひチャレンジをしてください。
将来を考えてキャリアアップがしやすい仕事でもあります。
介護の仕事を未経験から始めて、資格を取得して正社員になり、管理職になってお給料がかなり上がったという話も、介護業界ではそれほど珍しいことではありません。
無資格、未経験から働ける
介護の仕事は無資格、未経験から働くことはできます。そしてほとんどの介護事業所では、未経験者は施設のリーダーか先輩が横について教えてくれます。
施設によって介護経験者は1週間、未経験者は1ヶ月は先輩が横についてサポートをしてくれます。そしてリーダーが介護技術などを確認して、OKがでると独り立ちすることができます。
しかし訪問介護事業所で働く場合は、原則介護職員初任者研修の資格が必要です。あと身体介助のようなご利用者さんの身体に直接触れるような業務も資格が必要になる場合があります。
介護業界は人手不足で求人が多い
介護業界は人手不足だと言われています。厚生労働省が発表している統計でも介護職員の確保の必要性を公表しています。
介護派遣会社に何社か登録していると、介護の求人の紹介メールがたくさんきます。派遣として施設に行っても、絶対的に人手が少ないと感じます。
今では介護施設はどこにでもあるので、通勤しやすい場所などを探して働くのも良い方法だと思います。
人に感謝されるやりがいのある仕事
介護の仕事をしていると、よくご利用者さんから感謝されることがあります。
例えばトイレの介助のとき、パンツを汚してしまって交換していると「いつもありがとうね」とおっしゃる方がいます。ご自身では交換ができないことを申し訳ないと思っているのでしょう。人の役に立てているのかなと嬉しくなるときがあります。
仕事として当然のことをしているのに、自然と感謝される職場は介護の仕事ではよくある光景だと思います。
介護士が活躍する場所はどこ
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームの介護士の役割は、ご利用者さんの日常生活すべての介護をおこなうことです。
例えば、食事の介助や歯磨き、入浴の介助や着替え、トイレでの排せつ介助やおむつ交換、ベッドから車椅子へまたは車椅子からベッドへの乗り移りの介助、お部屋の掃除、汚れた洋服の洗濯、毎日のレクリエーションや季節のイベントなどがあります。
基本的には、65歳以上で要介護度が3以上の方がご入所されていますので、仕事の比率は身体介助が多くなります。
グループホーム
グループホームは、認知症の症状がでているご利用者さんの5~9名を1ユニットとして、ユニットごとに共同生活をする場所です。通常1施設に2ユニットのところが多いです。
仕事内容は、できるだけ自立した生活を促すために、食事の調理や後片付け、お部屋の掃除、入浴などの見守り、そして必要なときにお手伝いをします。
施設によっては、お買い物までご利用者さんがおこない、スタッフはサポートをする程度のところもあります。
ご利用者さんの状況により介護の仕事内容が、生活援助が多かったり、身体介助が多かったりします。
有料老人ホーム
有料老人ホームは、「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類があります。
介護付き有料老人ホームは、生活援助だけでなく身体介助もおこなう施設が多いです。ご利用者さんは介護度が低い方から高い方までいらっしゃるので、身の回りのお世話だけでなく入浴介助やおむつ交換までおこないます。
住宅型有料老人ホームは、自立~軽度の方が対象になるので、主に食事の準備や掃除、洗濯など生活援助がメインになります。
健康型有料老人ホームは、自立の方が対象になります。スポーツジムや温浴施設などご利用者さんが楽しめる施設があります。
小規模多機能型居宅介護
小規模多機能型居宅介護は、「通い」「宿泊」「訪問」の3つのサービスをおこないます。
1つの事業所の登録定員が29名以内で、通いが1日に18名以内、宿泊が1日に9名以内と決められています。
仕事内容は、身体介助や機能訓練、レクリエーションなどをおこないます。食事の調理をする施設もあります。住み慣れた地域で介護を受けたいというご利用者さんの希望にこたえるために、地域密着型のアットホームな雰囲気の施設が多いです。
通所介護(デイサービス)
通所介護(デイサービス)は、自宅から日帰りで通うご利用者さんに、食事、入浴、排せつなどの介護、レクリエーションや機能訓練、健康管理などをおこないます。
介護職員がご利用者さんを自宅まで迎えに行き、帰りも送ります。
働く時間が日勤のみで夜勤がなく、日曜日も休みの施設が多いので、一般的なサラリーマンと同じような働き方になります。
訪問介護(ホームヘルパー)
訪問介護(ホームヘルパー)は、ご利用者さんの自宅を訪問して、身体介助や生活援助、外出介助をおこないます。
基本的には、ご利用者さんと1対1になることが多いので距離感が近くなります。1人1人に合わせた介護サービスが求められる仕事になります。
登録ヘルパーとして働くことができれば、例えば週3日、4時間の仕事など時間の融通が利きやすい職種となるでしょう。
介護の仕事の種類に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
介護の仕事ってどんな種類があるの?介護業界の職種をわかりやすく解説!
介護の仕事に資格は必要あるの
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の基本的な知識やスキルを学ぶことができ、介護職のスタートとなる資格です。
初任者研修を受けるときに、年齢、学歴、実務経験など条件は一切なく、最短1ヶ月で取得ができる資格です。
未経験でも就職、転職しやすく、資格手当が支給されることもあり、無資格者よりも給与が優遇されます。
最短で訪問ヘルパーとして働くことができ、初任者研修→実務者研修→介護福祉士とキャリアアップがスムーズにできます。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、介護の専門的な知識と実践的な技術を学ぶことができ、介護福祉士国家資格の受験資格の要件の1つとなっています。
実務者研修を受けるときに、年齢、学歴、実務経験などの条件はなく、誰でも受講することができます。しかし初任者研修レベルの知識や技術がなければ、実務者研修の授業についていけないこともあります。
受講科目が20科目、受講時間は約450時間と長く、取得まで6ヵ月程度かかります。本格的に介護の仕事をしたいと考えている方には受講することをおすすめします。
介護福祉士
介護福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法にもとづく国家資格です。国家試験に合格して登録することで、国に認められた介護職員になります。
実務経験で3年以上及び実務者研修を修了していると、介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。
介護福祉士は、専門的知識と技術を駆使して身体上または精神上の介護、そして介護職員の指導をおこないます。
介護のスペシャリストとして、職場のチームリーダーになったり、就職、転職にも有利になります。将来的にも安定した職に就くことができます。
介護の資格に興味がある方は、こちらの記事をご覧ください。
介護初心者が目指しやすい資格って何があるの?介護資格の種類をわかりやすく解説!
介護の仕事をするときの心がまえ
相手の気持ちに寄りそうこと
介護の仕事をするときに一番大切なことは、ご利用者さんの立場に立って、どのようにしてもらえると嬉しいかを考えることです。
ご利用者さんの気持ちに寄りそって思いや願いを読み取ることで、ご利用者さんに合わせた介護ができるようになります。
ご利用者さんに合わせた介護を続けることで、少しづつ信頼関係ができてお互いが幸せになれます。
コミュニケーション力をつける
まずご利用者さんと話をするときは、丁寧な言葉遣いを心がけてください。
ご利用者さんは人生の先輩です。仕事に慣れてくると話し方が砕けてくることがあるので、お友達ではなくお客様であることを意識しましょう。
ご利用者さんの話に耳を傾けて、できるだけ読み取るように努力しましょう。
声が小さかったり、何を言っているのかわからないときもあります。ご利用者さんは何かを伝えようとしていますので、顔を見て思いを受けとれるようにしましょう。
話をするときは、ご利用者さんの顔を見て誰にでもわかる言葉で、ゆっくりと伝わっているか確認しながら話しをしましょう。
周りの状況に目を配る
介護施設ではたくさんのご利用者さんがいます。1人のご利用者さんにだけ集中して介助するのではなく、周りを見渡してほかのご利用者さんにも目を配るようにしましょう。
例えば、今あなたが1人のご利用者さんの食事の介助をしています。スプーンで口の中に食べ物を運んで飲み込みを確認します。その後数秒時間が空いたときに周りのご利用者さんを見渡して異常がないか確認します。そしてまた食事の介助をします。
自分の介助だけおこなうのではなく周りを見ながら介護ができるようになると、介護の技術が向上しますので意識して仕事に取り組むようにしてください。
介護力がアップするように意識する
介護力をアップするには、いつでもどうすれば介護が上達するかを意識することです。
例えば、介護力を上げるための必要なものに、ズピードと仕事量があります。
介助するのに1番大切なことは安全におこなうことです。ご利用者さんを怪我させてはいけませんからね。
同じ介助をするのでも、スピードが速いスタッフと遅いスタッフでは、ご利用者さんを介助する人数がかわります。速いスタッフが3人のご利用者さんを介助したのに、遅いスタッフは1人しか介助できなかったというときもあります。これが介護士の能力の差だと思います。
仕事量とは、どれだけたくさん動いているか、どれだけたくさん仕事をしているかということです。
例えば、1つの介助が終わったとします。普通のスタッフなら1分くらい休憩をとりますが、仕事量の多いスタッフはすぐに次の介助に向かいます。これが10回あれば10分間多く働いていることになります。自分が休んでいるときに動いているので、より仕事を多くしていると感じます。
このような仕事ができるスタッフが、自分の仕事が早く終わり周りを見る余裕ができ、サポートができる。そして役職者やリーダーになっていくのです。
介護の仕事は身体に負担がかかります。特に腰痛になる介護士がたくさんいます。腰痛について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【介護職の悩み事】腰痛の原因と予防対策について解説!
まとめ
今、介護業界は人手不足で介護士を必要としています。未経験、無資格でも採用する施設はたくさんあります。
介護の仕事は経験が1番重要です。介護に興味があれば、まずは1度介護にたずわってみることをお勧めします。
介護を経験することで、あなたにとって介護の仕事が合っているのかいないのかがわかるでしょう。
人は年を取ると介護の道を通ります。年を取る前に介護とは何かを知ることで、自分の人生のシナリオを描くことができます。ご利用者さんを見て、年を取るとはどういうことかを理解できるようになります。
まずは第一歩を踏み出してみましょう。介護の仕事探しのサイトなどで情報を集めてみるのも良いでしょう。「もっと早く行動しておけばよかった」と後悔をする前に行動を起こしましょう。
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