介護未経験者は、最初にどの資格を取得すれば良いのかな?
介護職の資格には、どのような種類があるの・・?
資格取得のために、どのような勉強をすればいいのかな・・・?
今回はこのような質問にお答えします。
結論から言いますと、介護未経験者は「介護職員初任者研修」の取得をおすすめします。介護の基本的な知識や技術を修得でき、受講資格がないので誰でも取得ができます。
介護職員初任者を取得して、介護の仕事を経験しながら「介護福祉士実務者研修」の資格を目指します。
介護士が実務経験を3年以上積むと、国家資格の「介護福祉士」の受験資格が得られます。まずは介護福祉士を目標に仕事を頑張る方が多いです。
こちらでは、介護職の資格を現場で必要なものから専門的なものまで27種類の資格をご紹介します。どのような仕事をする資格なのか、取得するのに必要な要件は何かをわかりやすく解説していきます。
この記事を書いている私のことを簡単にお話します。介護歴は約8年で、特別養護老人ホーム、グループホーム、介護老人保健施設、小規模多機能型居宅介護、有料老人ホームで介護の仕事を経験しました。正職員と派遣社員で働いたことがあります。複数の職場を経験することで、介護とは何かを理解できるようになりました。介護の現場で経験したことをわかりやすくご紹介していきたいと思っています
介護とは何かを詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
介護とは何だろう?介護の定義・具体的な仕事内容や魅力・職場の種類について解説!
今回の記事を読むことによって、介護の仕事を始めてみたいと考えている方が、どの資格を取得すればよいのかわかりやすく丁寧に解説しました。続きをご覧ください。
無資格・未経験者はどの資格を目指せば良いの
まず最初に、介護の資格の中で代表的な3種類をご紹介します。
介護職員初任者研修
「介護職員初任者研修(初任者研修)」は、無資格、未経験者が最初に取得する入門的な資格です。
高齢者に対する身体介助や生活援助など、介護の基本的な知識や技術を学びます。
ご利用者さんの自宅でサービスを提供する「訪問ヘルパー」は、初任者研修の資格が必要です。
受講要件はなく、スクールや通信講座を受講して修了試験に合格すると資格を取得できます。
取得期間は1ヶ月~4か月くらい(受講期間130時間)で、早く資格を取得したい方は最短1ヶ月で取得することができます。
受講料は4万円~10万円くらいが相場です。割引キャンペーンの期間に申し込むと費用を抑えることができるので、スクールの最新情報をチェックすると良いでしょう。
初めて介護の仕事をするときに、ご利用者さんの身体にさわるのが怖いと感じたり、まずは介護を学校で勉強をしてから現場で働きたいと考える方は、初任者研修の資格を取得することをおすすめします。
介護福祉士実務者研修
「介護福祉士実務者研修」は、介護職員初任者研修の上位の資格とされ、次の介護福祉士を目指すなら取得が必要な資格です。
介護の実践的な知識や技術を学び、医療的ケアやたん吸引の研修をおこないます。
訪問介護サービスの重要な仕事をする「サービス提供責任者」は、実務者研修の資格が必要です。
受講要件はなく無資格でも受講できますが、介護の実践的な内容を学びますので、介護初心者は講習についていくには難しいと思います。
取得期間は無資格から取得するには6ヵ月くらい(受講期間450時間)かかり、受講料は10万円~15万円くらいかかります。
介護職員初任者研修を取得していれば、2ヶ月~3か月くらいで、受講料は5万円~10万円くらいが相場です。
介護の仕事をしている方は、国家資格である介護福祉士を目標にします。そのためにも実務者研修は取得しなければならない資格になります。
介護福祉士
介護職の資格の中で国家資格であるのは「介護福祉士」だけです。周りからは介護のプロとして認識されます。
介護の専門職として高度な知識や技術を学び、現場のリーダーとして働いたり、ご家族からの相談や介護職員への指導もおこないます。
自治体によって実務経験の要件などは違いますが、「生活相談員」になることができます。
働きながら受講要件を満たすには、介護現場での実務経験を3年以上と実務者研修を修了する必要があります。
試験に必要な費用は、受験料、登録費用や手数料が約3万円くらいかかります。
国家資格は年に1回、試験日が1月にあり約60%の合格率の試験に合格する必要があります。
試験は年に1回しかなく不合格になると来年まで待たなければならないので、一発で合格できるようにしっかりと試験対策をしましょう。
介護の仕事の職種を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
介護の仕事ってどんな種類があるの?介護業界の職種をわかりやすく解説!
介護福祉士取得者におすすめの資格
国家資格の介護福祉士の取得が第一の目標でした。この次をめざしたいという方におすすめの資格4種類をご紹介します。
喀痰吸引等研修
「喀痰吸引等研修(かくたんきゅういんとうけんしゅう)」とは、たんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)と経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)の医療的ケアをおこなえる研修のことをいいます。
特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの介護現場で、たんの吸引や経管栄養の医療的ケアが必要なご利用者さんがいる場合、喀痰吸引等研修を受けた職員は非常に重宝されます。
喀痰吸引等研修には、医療行為をおこなうご利用者さんによって「第1号研修」「第2号研修」と「第3号研修」の3つにわかれます。
講習時間や内容、費用等は各研修によって違いますので、ご自身にあわせた研修を受けて下さい。
医療介護福祉士
「医療介護福祉士」とは、医療チームのメンバーとして働くことができる介護福祉士のことをいいます。
これから高齢者社会が進むと予想される中で必要とされる「終末期医療」「緊急時の対応」「慢性期医療」など医療の知識を学ぶことができます。
受講要件は介護福祉士の実務経験が1年以上で、試験内容は24単位(講義16単位、実習8単位)を修了し、認定試験に合格すれば取得できます。
介護と医療の幅広い知識を学ぶことができるので、ご自身のスキルアップにおすすめの資格です。
認定介護福祉士
「認定介護福祉士」とは、介護福祉士の上位資格として位置する民間資格のことをいいます。
認定介護福祉士の資格を取得することで、介護福祉士よりも高い知識やスキルを修得していて、介護現場のリーダーとしての能力を持ち合わせていることを証明できます。
受験資格は介護福祉士の資格を取得してからの実務経験が5年以上で、認定介護福祉士養成研修を600時間受けて、認定申請に通過する必要があります。
資格を取得するまで1年半くらいかかりますが、介護福祉士以上のスーパー介護福祉士をめざす方には目標となる資格だといえます。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
「ケアマネジャー(介護支援専門員)」の仕事とは、ご利用者さんとその家族からの相談を受けたり、介護サービスを利用できるように「ケアプラン」を作成します。
ご利用者さんとその家族が満足して介護サービスを受けられるようにサポートすることが主な仕事といえるでしょう。
受験要件は、介護福祉士などの国家資格を取得後の実務経験が5年以上(かつ900日以上)、もしくは相談援助業務5年以上と長い期間が必要となります。
試験に必要な費用は、受験手数料は8,000円~15,000円くらいと都道府県によって違い、ケアマネジャー試験の合格後に受ける「介護支援専門員実務研修」の受講料が5万円~6万円くらいとかかります。
年に1回の試験で合格率が例年10~20%と難易度が高い資格となっていますので、受験勉強は1年くらいの準備をする方が多いです。
ケアマネジャーの資格は5年毎の更新があります。もし更新を忘れた場合でも「56時間」の再研修を受ければ失効せずにすみます。
認知症に関する介護の資格
介護現場で高齢者に接する仕事をしていると、認知症のご利用者さんのケアをする機会が多くなり、認知症の知識があると仕事がしやすくなります。
認知症介護基礎研修
「認知症介護基礎研修」とは、認知症のご利用者さんと接するための最低限の知識や技術を学ぶ研修です。
受講費用は3,000円~5,000円くらいで自治体によって違います。1日で研修も修了して試験もありません。
初めて介護の仕事をする方は、認知症とは何かを知るうえで受講することがのぞましいでしょう。
認知症介護実務者研修
「認知症介護実践者研修」は、認知症介護基礎研修よりも実践的な知識や技術を身につけ、認知症ケアのエキスパートを育成する研修です。
「グループホーム」や「小規模多機能型居宅介護」などの認知症対応型施設の計画作成者や管理者になるには、取得が必修となっています。
受講要件は、認知症のご利用者さんに対する介護経験が2年以上あると研修を受けることができます。
受講費用は自治体によって無料で受けられるところがあれば、3万円以上かかる自治体もあります。
研修期間は講義と演習で6~7日間、自施設実習が2~4週間かけて学び、実習が修了しレポートを提出したら修了証書を受けとれます。
認知症対応型施設の管理者をめざす方はぜひ取得しましょう。
認知症介護実践リーダー研修
「認知症介護実践リーダー研修」とは、認知症介護実務者研修の上位資格となります。
認知症ケアをおこなっている事業所で、適切なサービスを提供するためのチームリーダーを育成することを目的とした研修です。
受講要件は、認知症のご利用者さんに対する介護経験が5年以上で、認知症介護実務者研修の修了後1年以上となっています。
受講費用は自治体によって無料で受けられるところもあれば、5万円以上かかる自治体もあります。
研修期間は、講習と演習で8~10日間、他施設実習が3~5日間、自施設実習が約4週間かけて学び、修了まで3ヶ月以上かかります。
認知症対応型施設でリーダーとなり、チームマネジメント力を発揮されたい方は取得されることをおすすめします。
認知症ケア専門士
「認知症ケア専門士」は、認知症ケアに関する専門知識があり、適切な技術を持ち合わせていると証明できる資格です。
受講要件は、認知症のご利用者さんに対する介護経験が試験実施より過去10年の間に3年以上ある方が対象となります。
受験内容は、第1次試験(筆記試験)と第2次試験(論述、面接)があります。試験合格後に登録申請をして資格取得となります。
受験費用は、第1次と第2次試験、登録申請料とで35,000円、その他テキスト代などがかかります。
認知症ケア専門士は更新する必要があります。5年間で30単位を取得することが更新の条件です。
QOL(生活の質)の向上に関する資格
介護におけるQOL(生活の質)の向上とは、ご利用者さんが「自分らしく充実した生活を送りたい」という願いをかなえるためには、どのようなサービスを提供すると良いのかを考えることです。
レクリエーション介護士
「レクリエーション介護士」は、介護におけるレクリエーションの知識や技術を身につけ、ご利用者さんが喜ぶレクリエーションの企画を実行し生活の活性化を図ることをします。
レクリエーション介護士には「2級」と「1級」があり、2級はレクリエーションの基本的な知識や役割を学び、1級ではレクリエーションの専門的な知識を学び、自らプログラムを作成して現場のレクリエーションを充実させることをします。
受講要件は、2級はありませんが、1級は2級合格者に限ります。
受講費用は、2級は35,000円~40,000円くらいで、筆記と実技で約60%の正答率で合格する試験です。1級では約9万円前後かかり、筆記と実技で約60%の正答率で、その後現場実習が3回あります。
レクリエーション介護士を取得することで、介護現場で適切なレクリエーションの企画を立案し実施できる専門家をめざしましょう。
福祉用具専門相談員
「福祉用具専門相談員」は、介護保険制度のもとでご利用者さんに対して福祉用具の使い方や選び方のアドバイスを提案をすることができます。
福祉用具貸与事業所に、福祉用具専門相談員を2名以上の配置が義務付けられている公的資格です。
受講要件はありません。どなたでも受けられます。受講費用はテキスト代込みで4万円~5万円くらいが相場です。
直接介護をしませんので、介護未経験で前職が営業などでご利用者さんやその家族、介護職員と話をして商品を説明する仕事がしたい方にはおすすめの資格です。
福祉用具専門相談員は、ベッドやマット、車いす、昇降座椅子など重い物を持つ機会が多いです。
身体には気を付けて仕事をしてください。
腰が気になる場合には、腰痛ベルトを使用すると腰への負担は軽減されます。詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
>>介護士おすすめの腰痛ベルトの選び方をご紹介!目的別で選ぶ方法とコルセットと骨盤ベルトの違いも解説。
福祉住環境コーディネーター
「福祉住環境コーディネーター」とは、ご利用者さんの自宅を住みやすく、長く暮らし続けることができるような住環境を提案するアドバイザーの資格です。
住みやすい環境を整えるには、医療や福祉、建築などの専門職とご利用者さんやその家族の意見を取り入れて、最善な住宅の改良プランを提示します。
受験要件は、「3級」「2級」は学歴や年齢に制限がなく誰でも受験できますが、「1級」は2級合格が必要となります。
受験費用は、3級は5,500円、2級は7,700円、1級は9,900円で、テストセンターのコンピューターで受験するCBT方式だと2,200円がプラスされます。
合格率は、3級が60%くらいで、2級が40%前後、1級は10%くらいで大変難しい試験となります。
住みなれた自宅で長く暮らしたいと、住宅の改修を検討するご利用者さんが増えています。限られた環境や予算の中で工夫してアドバイスすることで、ご利用者さんの期待にこたえられる資格であるといえます。
サービス介助士(ケアフィッタ)
「サービス介助士(ケアフィッタ)」とは、ご利用者さんに対して必要なことをその場にあった方法でお手伝いできるようになる資格のことをいいます。
サービス介助士の学習は、ご利用者さんの立場にたった行動ができるように、「知識」「対話」「実践」から「何でも支援すればいい」という思い込みを取り除いていきます。
受験要件はありません。費用は41,800円で、学習期間は平均約2ヶ月です。
学習の流れは、自宅学習、課題提出(100問、60点以上合格)、実技教習(オンライン、対面形式)、検定試験(50問、70点以上合格)となります。
サービス介助士の資格は、介護業界だけでなく街中などさまざまな場面で役立ちます。ぜひ取得してみてはいかがでしょうか。
介護の事務系の資格
こちらでは一般的な介護事務の仕事から、相談業務、施設の管理の仕事までできる資格をご紹介します。
介護事務管理士
「介護事務管理士」は、介護保険の制度や介護報酬の請求の知識などデスクワークが主な仕事になる資格です。
介護事務には、月に1回「レセプト」という国に介護給付明細書を作成して請求する仕事があります。介護事務管理士の試験には、レセプト作成の実技試験があります。
受験要件は特になく、受験料は6,500円です。合格基準は学科と実技がともに60%以上で、得点合計が80%以上で合格です。合格率は70%くらいです。
デスクワークに特化した資格なので、介護事務の他にパソコンスキルもあると仕事の幅が広がるでしょう。
ケアクラーク技能認定試験
「ケアクラーク技能認定試験」は、介護事務職として必要な知識と技能を持ち合わせていると証明できる資格です。
ケアクラークは介護事務の仕事だけでなく、人間関係や福祉、介護、医学、事務など幅広い知識が求められる試験です。
受験要件は特になく、受験料は6,900円です。合格基準は学科と実技それぞれのテストで70%以上を取ると合格です。合格率は60~70%です。
窓口業務やお客様対応、事務、レセプト作成など幅広い知識を求めている方は、ケアクラークの資格を取得することをおすすめします。
社会福祉士
「社会福祉士」とは、福祉や医療の相談援助に関する専門的な知識や技術を持ち合わせている、重要な役割をする専門職の国家資格です。
業務内容は広く、福祉サービスを必要とするご利用者さんとその家族の相談を受けたり、他の福祉サービスや医療機関と連携を取ったり、専門知識や技術で適切な援助、助言をします。
社会福祉士の活躍する場は、介護現場では生活相談員、医療現場では医療ソーシャルワーカー、福祉の現場では障害者支援や児童福祉、母子生活支援等の施設、行政や地域の職員など幅広くあります。
受講要件は、福祉系大学等を卒業、福祉系大学等+短期養成施設に通う、一般大学卒業等+一般養成施設に通うなどがあります。いずれも大学、短大を卒業していないと受講要件は取れませんので取得には時間がかかる試験です。
合格基準は、150点満点の60%以上の得点と科目群すべてにおいて得点があることです。合格率は30%前後です。
社会福祉士は、福祉関係の中では最上級の資格の1つです。取得するには難しい試験ですが、資格を取得すれば仕事が大幅に広がります。チャレンジに値する資格だと思います。
社会福祉主事任用資格
「社会福祉士主事任用資格」とは、都道府県や市町村で社会福祉の仕事をおこなう職員のための資格です。
任用資格を取得し、地方公務員試験に合格して、福祉事務所に配属されて「社会福祉主事」となります。
社会福祉主事任用資格を取得していると、社会福祉施設の施設長として働くこともできます。
受講要件は、大学等で指定科目を履修して卒業、国の指定した専門学校で指定過程を修了、社会福祉士か精神保健福祉士の資格を取得があります。
任用資格を取得するだけでは効力は発揮しません。地方公務員試験に合格するか、民間の病院か介護施設で「医療ソーシャルワーカー」「生活相談員」として働くことが多いです。
精神保健福祉士
「精神保健福祉士」とは、精神的に障害のあるご利用者さんに対して、スムーズに生活ができるように相談や生活支援、環境調整などをおこなう専門職の国家資格です。
「社会福祉士」は高齢者など生活に困っているご利用者さんに対してサポートしますが、「精神保健福祉士」は心の病や悩みを抱えたご利用者さんを支援します。
受験要件は、社会福祉士取得者や福祉系大学等で社会福祉の知識を身につけている方は「短期養成施設」に通学、もしくは相談援助業務を4年以上働いているか福祉系大学以外の大学を卒業している方は「一般養成施設」に通学すると受験資格が得られます。
合格基準は、問題の総得点の60%程度を基準としたのち、補正された点数以上の得点を獲得し、16科目群において0点の科目群がないことです。
精神保健福祉士の仕事は、精神面が不安定なご利用者さんを相手にしますので、細やかなサポートや配慮、不安な気持ちに寄り添えることができる方がむいている仕事と言えるでしょう。
リハビリテーションや介護予防の専門的な資格
リハビリテーションによって身体の機能回復を支援する専門職があります。どのような専門的な資格があるかご紹介します。
理学療法士
「理学療法士」は、事故や怪我、病気などで身体に障害がある方、または障害が起こる可能性がある方に、座る、立つ、歩くなどの「基本動作能力」の回復や維持をめざし、自立した日常生活を送れるように支援する専門家です。
仕事内容は、医師の指示でご利用者さんを「検査測定」をして、リハビリの計画を作成し、器具などを使って体を動かしたりする「運動療法」や外部から刺激を与えたりする「物理療法」などをおこないます。
受験要件は、大学や専門学校などの養成校で3年以上の教育課程を修了する必要があります。それから国家試験(筆記試験、口述・実技試験)を受けます。合格率は平均80%くらいです。
理学療法士が活躍する場は、病院や診療所などの医療機関、介護老人保健施設(老健)、保健・福祉センターなど地域の行政機関が多いです。
座ること、立つこと、歩くことは私たちの生活には欠かせない能力です。ご利用者さんがリハビリをおこなうことで豊かな生活を取り戻すことができます。そのお手伝いをできることが理学療法士のやりがいだと思います。
腰痛のリハビリも理学療法士の仕事の1つです。腰痛について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【介護職の悩み事】腰痛の原因と予防対策について解説!
作業療法士
「作業療法士」は、病気や怪我などで心身に障害を持つ方に、自分らしい生活を送れるように支援する専門家です。
仕事内容は、ご利用者さんの状況に応じて、運動や感覚、知覚、認知機能などの「基本的動作能力」、食事やトイレ、家事などの「応用的動作能力」、地域活動への参加や就労、就学などの「社会的適応能力」を改善、維持できるように支援します。
受験要件は、大学や専門学校などの養成校で3年以上の教育課程を修了する必要があります。それから国家試験(筆記試験、口述・実技試験)を受けます。合格率は平均80%くらいです。
作業療法士が活躍する場は、病院、介護施設、養成校、児童福祉施設、障害者施設などが多いです。
「理学療法士」は、立つ、起きる、歩くなど身体の基本となる動作のリハビリテーションをおこない、「作業療法士」は、食事をする、料理をする、字を書くなど日常生活をスムーズに送るためのリハビリテーションをおこないます。
介護予防運動指導員
「介護予防運動指導員」とは、ご利用者さんが自立した生活を送れるように運動や生活習慣に関して、介護予防プログラムの作成や適切な運動の指導をおこないます。
ご利用者さんが食事をうまく取れていない場合は栄養の指導を、歩き方に問題がある場合には歩行の筋肉トレーニングの指導をおこないます。
受講要件は、介護職員初任者研修修了者と実務経験2年以上、介護福祉士実務者研修修了者、国家資格の介護福祉士取得者、社会福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)などが必要です。
介護予防運動指導員の養成講座(講義・実技)を受講して、修了試験(45問のマークシート、1時間)に合格すると取得できます。講座内容から試験問題が出題されますので、しっかり復習するようにしましょう。
受講費用は9万円前後で、受講期間は約1ヶ月くらいです。3年ごとに登録の更新(費用は3,000円くらい)をする必要があります。
高齢者がいつまでも健康で生活できるために、介護予防はとても大切な役割を果たします。介護予防運動指導員の資格を取得して専門的な知識や技術を身につけていきましょう。
その他の介護系の資格
介護にはさまざまな資格があります。その中でいくつかご紹介します。興味のある方はご覧ください。
終末期ケア専門士
「終末期ケア専門士」は、死を目前に控えたご利用者さんやその家族の気持ちに寄り添いながら看取りのケアをおこなう専門職の資格です。
終末期を迎えたご利用者さんは苦痛や不安でたまりません。その時どのようなケアをすれば良いのかを学ぶことができます。
受験要件は、「介護福祉士」「ケアマネジャー」「社会福祉士」「理学療法士」「作業療法士」などの資格を持ち、実務経験が2年以上の方、もしくは「介護福祉士実務者研修」を修了し、実務経験が3年以上の方が対象です。
試験時間は90分、出題数は90問、試験はパソコン試験(CBT試験)でおこなわれます。合格率は60~70%です。
受験料は約11,000円。認定登録料が約11,000円。3年ごとに更新料が約5,500円かかります。
介護の仕事をしていると、死に関して向き合う場面が増えてきます。終末期ケア専門士の資格を持っているとご利用者さんとその家族との接し方もわかります。仕事の幅を広げるためにも資格を取得してみてはいかがでしょうか。
看取りケアパートナー
「看取りケアパートナー」は、終末期のご利用者さんがその方らしい最期を迎えられるために、適切なケアがおこなえる資格です。
看取りケアパートナーを取得することで、終末期から亡くなった後の手続きまで学ぶことができます。
受講要件はなく、誰でも受験することができます。看取りケアパートナー試験取得講座を受講してから認定試験を受けます。
受験費用は、およそ30,000円くらいです。平均学習期間は3ヶ月で、全3回の添削課題を提出します。
在宅受験なので試験時間はなく、100点満点で70点以上が合格です。もし不合格になっても再受験が2回までOKです。
終末期ケア専門士の受験要件は実務経験が必要ですが、看取りケアパートナーはありません。通信講座で勉強して認定試験に合格すれば取得できるので、初めて看取りの知識を学びたい方にはおすすめです。
介護タクシー・福祉タクシー
ご利用者さんを車で送迎または通院するための乗車等をおこなう仕事に「介護タクシー」と「福祉タクシー」があります。
福祉タクシーは、福祉車両での移送を提供し、ご利用者さんの介助はおこないませんので、「普通自動車一種免許」の取得で大丈夫です。
介護タクシーは、送迎や通院等のための乗車または降車の介助をおこないますので、「普通自動車二種免許」と「介護職員初任者研修」の資格が必要です。
福祉タクシーは、施設や事業所で送迎専門か介護補助として働いているスタッフが多いです。
介護タクシーは、介護タクシー事業をおこなっているタクシー会社に就職するか、個人で開業する方がほとんどです。
ご利用者さんの介護度が高くなると必然的に乗り降りするときに介助が必要になります。介護業界で働くならば、介護職員初任者研修を取得することをおすすめします。
介護認定調査員
「介護認定調査員」とは、介護サービスを希望する高齢者がどの程度の介護が必要であるかを決めるときに、介護認定の1次判定の必要な情報を集めるために聞き取りをおこなう職員のことをいいます。
仕事内容は、ご利用者さんがすでに受けているサービスや家庭環境などの「概況調査」、身体や認知機能、社会生活への適応などの「基本調査」、それ以外の内容を「特記事項」に記載して作成します。
介護認定調査員になるには、市区町村または事業受託された法人の職員、実務経験が5年以上のケアマネジャーや介護福祉士、社会福祉士や理学療法士、作業療法士などの一定の条件を満たす専門職の方が自治体から受託されます。
初対面のご利用者さんやその家族から聞き取りをおこないますので、正しい調査ができるためのコミュニケーション力が必要な難しい仕事です。その分やりがいが感じられる仕事といえるでしょう。
まとめ
今、介護業界は人手不足で介護士を必要としています。介護の資格はいろいろあり、働き手にとって目標となりスキルアップにつながります。
介護の仕事を経験することで、人生のことなどさまざまなものが見えてくるでしょう。介護に興味があるならば、介護職員初任者研修を取得することをおすすめします。
介護を経験することで、あなたにとって介護の仕事が合っているのかいないのかがわかるでしょう。
人は年を取ると介護の道を通ります。年を取る前に介護とは何かを知ることで、自分の人生のシナリオを描くことができます。ご利用者さんを見て、年を取るとはどういうことかを理解できるようになるでしょう。
まずは第一歩を踏み出してみましょう。介護の仕事探しのサイトなどで情報を集めてみるのも良いでしょう。「もっと早く行動しておけばよかった」と後悔をする前に行動を起こしましょう。
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